“こぶとり爺さん”もガンだった? 「耳下腺腫瘍」に要注意
「耳下腺腫瘍で来院される患者さんには、『しこりが気になってかかりつけ医や皮膚科を受診したが、“脂肪の塊でしょう”と言われた。放置していたら大きくなった』と言う方が少なからずいます。脂肪の塊との違いに注意してほしい」
耳下腺腫瘍は、脂肪の塊のように「触るとプニュプニュ柔らかい」という感触ではない。
ただ、専門家でなければ区別が難しいかもしれないので、しこりがあれば「耳鼻科」あるいは「頭頚部外科」を受診し、検査を受けた方がいい。「皮膚科」は専門科ではない。
特に、しこりが大きくなるようなら、病院での検査は必須だ。女性は化粧をするので顔を触る機会が多く、早い段階で気付きやすい。しかし、男性は本人が思っている以上に顔の変化に無頓着な傾向がある。気をつけたい。
■誰でも発症する可能性あり
この耳下腺腫瘍は大半が命に影響がない良性腫瘍だ。しかし、良性腫瘍の可能性が高いという場合でも安心はできない。
「耳下腺腫瘍の悪性腫瘍(がん)は、組織型が多岐にわたり、悪性度が低いものもあります。この低悪性度の腫瘍は、良性腫瘍との鑑別が難しい」