“こぶとり爺さん”もガンだった? 「耳下腺腫瘍」に要注意
昔話「こぶとりじいさん」のこぶは、がんだった?? 「はねだ耳鼻咽喉科」の羽田達正院長に聞いた。
■発症原因は不明
「こぶとりじいさん」はご存じの通り、顔に大きなこぶのあるおじいさんが主人公で、鎌倉時代の説話物語集「宇治拾遺物語」にも同類の話が載っている。おじいさんのこぶと似たような様相を呈するのが、耳下腺腫瘍だ。
「耳下腺は、顎下腺、舌下腺とともに唾液腺のひとつで、唾液をつくりだし、分泌する器官。3つの唾液腺のうち最も大きいのが耳下腺で、唾液腺の腫瘍の7割を耳下腺腫瘍が占めます」
耳下腺の場所は、左右の耳の前から下にかけてで、ちょうどおたふく風邪で腫れる辺りだ。
腫瘍ができていても、痛み、違和感、食事ののみ込みにくさ、しゃべりにくさ、耳の聞こえの悪さなどの自覚症状はない。唾液に関連した器官だが、唾液の分泌が悪くなるわけでもない。
自覚できるのは、指で触れるしこり程度。最初はほんの小さなものだが、時間をかけて徐々に大きくなる。