安全性もアップ 致死性不整脈に新治療登場で何が変わる?

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■重篤なリスクをすべて回避

「経静脈ICDは致死性不整脈の治療には欠かせませんでしたが、3つのリスクがありました」

 すべて心臓内のリードに関わることで、①心臓や血管を損傷し突き破る=心臓穿孔、②細菌が付着し感染性心内膜炎を起こす、③血管に癒着したり静脈閉塞を引き起こすため、リードの不具合や感染性心内膜炎などを起こしてもリードの追加や抜去は困難の3つ。経静脈ICDによって致死性不整脈は阻止できたが、①~③で重篤となるケースも珍しくなかった。

「しかも、3つのリスクと一生付き合わなければなりません。植え込み手術の後、10年間でリードの3割はなんらかの不具合が生じ、交換が必要になります。その再置換リードにも同様の危険が伴います」(国立循環器病研究センター・石橋耕平医師)

 心臓内にリードを埋め込む3つのリスクに不安を抱き、特に若くしてICDの適応となった患者の中には、治療を先送りにする人もいた。しかし新治療では、本体もリードも皮下に植え込む。心臓内のリードの植え込みによる3つのリスクがすべて解消できるのだ。

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