おいしい季節こそご用心 鮮魚には寄生虫がこんなにいる
■養殖ヒラメや淡水魚も危険
アニサキスと同じく、ここ数年、増えている寄生虫が「クドア・セプテンプンクタータ」だ。
主に養殖ヒラメの筋肉に寄生する粘液胞子虫で、厚労省の「食中毒事件一覧速報」では、今年1~8月の期間に6件、計55人の感染が報告されている。
「クドアがどのようにしてヒラメに寄生するのかはまだハッキリと分かってはいませんが、もともとクドアに寄生している稚魚を養殖してしまったり、与えるエサにいるのではないかとみられています。肉眼で判別することは難しく、食べるとすぐに腹痛や下痢、嘔吐を起こします。ただ、症状は比較的軽度な場合が多く、数時間で改善します。クドアも、75度以上で5分以上加熱するか、マイナス20度で4時間以上の冷凍で死滅します」
予防を徹底するなら、やはりヒラメの刺し身は避けるべきだろう。
淡水魚では、アユやシラウオに寄生する横川吸虫にも気をつけたい。
「人間の小腸に入り込み、2~3カ月ほどで成虫に成長します。寄生された数が少なければ、自覚症状はほとんどありませんが、数が増えると下痢や腹痛を起こしたり、慢性カタル性腸炎の原因になる。食欲不振でやせ細ってしまう人もいる。検便で卵が見つかり、調べてみたら小腸に大量の横川吸虫が寄生していたというケースもあります」
アユは、しっかり火を通し、シラウオの躍り食いはガマンした方がいい。