著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

【胃がん対策】家族で除菌 早期発見より確実な予防を

公開日: 更新日:

 この連載で何度となく語っているのは、がんの早期発見、早期治療。がんは怖い病気というイメージがあるかもしれませんが、早期発見できればがん全体の5年生存率は9割を超えます。多くのがんが早期なら治るのです。早期発見が重視されるゆえんはここにあります。

 もしがんの発症そのものを食い止めることができれば、早期発見より確実でしょう。実は、そんなうまい方法があるのです。細菌やウイルスの感染によって生じるがんなら、感染をブロックすればよくて、その3大がんが、ピロリ菌の持続感染による胃がん、HPV感染による子宮頚がん、肝炎ウイルスによる肝臓がんです。

 今回はそのひとつ、胃がんについてお話ししましょう。昨年の統計では、胃がんは大腸がん肺がんに次ぐ約13万3000人が発症し、約4万9000人が亡くなっています。古くは徳川家康がこのがんで苦しんだとされていて、“がんといえば胃がん”と恐れられた時代もありました。

 それだけに、胃がんを食い止めることは、医学的にも社会的にも大きなインパクトがあります。佐賀や大分、兵庫、大阪、長野、山形、秋田、北海道などの市町村では、中学生らを対象にピロリ菌の検査と除菌に取り組む自治体が増えているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末