【心臓病】石川島記念病院・心臓病センター(東京都中央区)
中央区内にある病院は、国立がん研究センター、聖路加国際病院、そして同院の3施設しかなく、地域密着型の心臓病センターの役割に対する周辺住民の期待は高いという。
「超高層マンションが立ち並ぶ一方で、この辺のエリアは古くから住んでいる高齢者が意外と多いのです。疾患で多いのは、狭心症、心筋梗塞、不整脈、次いで弁膜症などの心臓病になります」
特に心筋梗塞の場合、治療は一刻を争う。まず緊急性が高ければ、腕や脚の動脈から細い管を挿入して閉塞した血管を広げるカテーテル治療が第1選択肢になる。
しかし、患部が心臓の血管の急所にあったり、病変のある冠動脈が何本もあるとカテーテル治療では予後が悪い。そのような場合には冠動脈の迂回路をつくるバイパス手術の対象になる。同センターは、バイパス手術でも人工心肺を使わない(心臓を止めない)オフポンプ手術を得意とする。
「人工心肺を使うこと自体にもリスクがあり、オフポンプ手術の方が術後の脳梗塞などの合併症が少なく、回復も早い。手術の成績やクオリティーは同等以上です」