クレプトマニア、認知症…万引を繰り返す「病気」がある

公開日: 更新日:

 斉藤氏が担当したクレプトマニアのケースには、T字カミソリばかりを盗む人がいた。しかし、その人はヒゲを剃る時にT字カミソリをまったく使わない。化粧品やトイレの芳香剤の窃盗を繰り返す人もいたが、経済的にはとても裕福だった。

「社会的損失があっても、反復して盗む。盗むものは安価で、過去に実刑を受け『もう絶対にやらない』と言っていたはずなのに繰り返してしまう。もし家族がそうなら、クレプトマニアという病気が隠れているのではないかと疑ったほうがいいかもしれません」

 クレプトマニアと並んで、高齢期になって窃盗を繰り返すようになった場合、「前頭側頭型認知症」も疑われる。

 認知症だが「物忘れ」などの記憶障害はあまりなく、窃盗など「反社会的な行動」が目立つ場合が少なくない。本人は罪悪感がなく、なぜ盗んでしまったか理解していない。認知症の症状ゆえの窃盗だからだ。

 前頭側頭型認知症の人すべてが反社会的行動を取るわけではないが、世間に「認知症=反社会的行動」との認識が広まっていないので、「あんなことをしたのに、悪びれた様子が見られない」と批判され、実刑判決を受けることもある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…