専門医に聞く うつぶせ寝禁止で乳幼児突然死は防げるのか

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「たとえば喫煙です。特に妊娠中の喫煙は赤ちゃんの体重を抑え、脳幹にある呼吸中枢の発達に悪い影響を与えます。赤ちゃんの周りで喫煙するのも同じです」

 母乳でなく人工乳で育てることもリスクになるというから驚きだ。

「母乳には眠りを致命的なほど深くしないホルモンが含まれています。しかも、人工乳を使っているお母さん方は、寝かせる前に多く飲ませる傾向にあります。母乳と違って人工乳は吸収が遅いので、なんとか吸収しようと睡眠中に胃の周りに血液が一気に集まり、眠りを深くしてしまうのです」

 こうした母乳のメリットがわかってきて、母乳育児がしやすい環境が整ったのだが、最近は、それを無視する保育施設が増えている。

「それもSIDSの遠因になっているのではないでしょうか。保護者が望めば保育施設は冷凍母乳の受け入れ体制を整え、母乳育児の継続を支援するよう配慮することが法律の指針など(児童福祉法や食育推進基本計画)で明記されているのに、冷凍母乳拒否の施設が増えてきたのは問題です」

 生まれたばかりの子供を失う家庭の悲しみはいかばかりか。少子化を防ぐという意味でも赤ちゃんのうつぶせ寝の禁止期間を延長すればよいという話ではない。

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