専門医に聞く うつぶせ寝禁止で乳幼児突然死は防げるのか

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 SIDSのほとんどが睡眠中に起こっている。とくにうつぶせ寝での発症が目立っているが、その原因はハッキリわかっていない。

「有力なのは、『呼吸をつかさどる脳幹部の発達の遅延だ』との見方です。うつぶせ寝はあおむけに比べて接地面が大きく、赤ちゃんの気持ちが落ち着き、眠りが深くなりやすい。人間は深い眠りに陥ると瞬間、呼吸が止まることがあります。通常は脳幹部の防御反射で覚醒して呼吸を再開しますが、赤ちゃんは脳幹部の呼吸中枢が未熟で防御反射が遅れ、覚醒しないことがあるのです」

 一般にはうつぶせ寝だと鼻や口を布団などが覆い、窒息する、と考えがちだが誤解だという。

「あってもマレなケースでしょう。生後間もない赤ちゃんでも呼吸が苦しくなれば顔を左右に変えられます。窒息はふわふわの柔らかいベッドの上でうつぶせになったり、ベッドの柵などで首をつったり、体がはさまったり、親や兄弟が添い寝をして覆いかぶさったりして起こることが多いと思われます」

■2つの意外なリスク

 問題はSIDS発症のリスク要因はうつぶせ寝以外にもあるということだ。

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