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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

肺がん開胸手術は都道府県の格差が大きい

公開日: 更新日:

■三重と徳島がゼロ

 低いほうでは、三重県と徳島県がゼロ。この2県では、開胸手術は1件も行われなかったということです。石川県、宮城県、奈良県なども1年間を通して10件ほどしか行われていません。

 しかし、少ないから良いというわけではありません。開胸が必要な患者は一定の割合で必ず存在します。それがゼロということは、つまりこれらの県では開胸すべき重症患者を他県の病院にせっせと紹介している(追い出している)可能性が高く、その分だけ県全体としての手術スキルが低いのかもしれないからです。

 逆に愛知県などは、周辺県から重症患者を大勢引き受けているのかもしれません。開胸比率が低いから「肺がん治療に強い県」とは単純に言えないということです。

 とはいえ新潟県や山形県などは、さすがに開胸比率が高すぎる印象を受けます。胸腔鏡手術が得意な外科医が少ないのかもしれません。これらの県の患者は、手術を受ける前に、病院から納得できる説明を求めるべきでしょう。

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