著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

前立腺がん手術数 2006年に保険点数が引き上げられ急増

公開日: 更新日:

 前立腺がんの患者数は増え続けているのですが、手術件数はどうなっているのでしょうか。残念ながらNDBオープンデータは昨年公開されたばかりで、現時点では2014年度の数字しか分かりません。

 しかし、厚労省は別に「社会医療診療行為別調査」を公開しています。そちらにはレセプトを基にした、過去20年分の手術件数が載っています。ただし、毎年6月(1カ月間)の数字のみです。表に2000年以降の前立腺がんの「新規患者数」「PSA検査数」「全手術件数」(開腹・腹腔鏡・ミニマム手術の合計)をまとめてみました。

 PSA検査は、血液中に溶けている前立腺がんの腫瘍マーカーを測定する検査です。06年より以前の正確な数字はありません。

 14年6月の検査数は約22万回、年間に直すと(12倍して)約269万回となります。一方、この年の新規患者数は7万7000人前後だったと推定されます。従ってPSA検査を受けた人で、前立腺がんが見つかる確率は約3%となります。ただし、これは「医療」として行われた回数です。職場健診などで受けた人は、この数倍から10倍以上に達するはず。つまり、PSA検査を受けて最終的に前立腺がんと診断される確率は、1%よりかなり低いというわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動