尿酸値が高いのは不健康なのか?
健康診断などで採血をして尿酸値が高いと指摘された経験がある方は多いと思います。尿酸値が高いことで起こりやすい病気といえば「痛風」です。お酒を飲んだ後などに、足の親指の付け根などが赤く腫れて、歩けないほどの痛みが襲うのです。
痛風は関節炎の一種ですが、尿酸値が高いと起こりやすいことが知られています。それ以外に、尿酸値が高いと「尿路結石」の原因となることも分かっています。こうした病気の人は、薬を飲んで尿酸値を下げることが病気の予防になるのです。
それでは、痛風発作を起こしたことがなく、尿路結石のない場合でも、尿酸値が高いだけで薬を飲む必要があるのでしょうか? これは実はまだ決着のついていない問題です。最近、尿酸値が高いと腎臓病や高血圧、心臓病などが多いことが報告されています。もし尿酸値が高いことが原因となって、そうした病気が起こるのだとすると、「何も症状がなくても、尿酸値は薬で下げた方が健康に良い」ということになります。
しかし、今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという医学誌に掲載された論文によると、これまでの研究結果をまとめて解析した結果として、痛風と尿路結石以外の病気については、尿酸値を下げることによる治療効果は確認されませんでした。今のところ、尿酸値が高いということだけでは、それを病気と考える必要はなさそうです。