論文が世界で注目 胆道がんをほぼ確実に発症させない方法
胆道がんは非常に予後が悪いがんだ。発見された時にはすでに進行がんで手術が困難なケースが珍しくなく、たとえ手術ができても再発率が高い。この胆道がんに関する論文が発表され、注目を集めている。
先日、消化器病学の分野で世界で権威のある医学雑誌「The Lancet Gastroenterologynibu&Hepatology」に、日本人が筆頭著者の総説論文が初めて掲載された。テーマは「膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症」だ。筆者である都立駒込病院・神澤輝実副院長は長年、胆道がん予防につながる治療の研究に力を注いできた。今回の論文では「膵・胆管合流異常」の治療が胆道がんの予防につながることに触れている。
通常、膵管と胆管は十二指腸内で合流するが、十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常がある。これを膵・胆管合流異常といい、胆道がんの発症率を高める。
「胆道がんの発症前に合流異常を発見すれば、胆道がんを予防できる。予防法が認知されれば、胆道がんの死者数の減少が期待できます」