1日遅ければ…おりも政夫が語る「舞台5日前」の盲腸手術
ところが、その3時間後にものすごい寒さで目が覚めたのです。水を飲もうと思っても、手が震えてコップが掴めません。妻も娘も起きてきてくれて、熱を測ったら40度もありました。
娘の運転で近くの病院へ行くと、白血球の尋常じゃない値と腹痛の様子から「虫垂炎」と診断されました。とりあえず痛み止めの注射を打ってもらったのですが、そこに当直していたのは内科医だけ。それで、人間ドックで毎年お世話になっている新宿の病院へ連絡すると、たまたま消化器科の医師が当直でいてくれたのです。いま思えば、それが運命の分かれ道でしたね。
救急搬送でその病院に到着したころには、打ってもらった痛み止めで状態が楽だったので、医師に「盲腸なら、薬でいったん散らしてもらえませんか。5日後に舞台があるんで……」と伝えました。すると、「こんな白血球の数値でなに言ってるんですか」と言われ、明け方から緊急手術になったんです。
最近は医療が進み、盲腸ぐらいなら内視鏡ですぐに終わるという説明でした。ところが、実際にのぞいてみたら壊死と癒着がわかって、結局、癒着した小腸と大腸もろとも切り取る4時間の大手術になったわけです。