突然死の危険も 「低カリウム血症」を甘く見てはいけない

公開日: 更新日:

 中でも危険なのが突然死につながる致死性不整脈だ。カリウムは細胞の内外を出入りすることで心筋細胞の興奮による心臓拍動を調整している。低カリウム血症は細胞外のカリウム濃度が低いので、カリウムが細胞内に入ることができなくなってしまうのだ。

「低カリウム血症では、心筋細胞の興奮が収まるまでの時間が長くなります。すると、心電図波形のQ波とT波の間の時間が延びる『QT延長症候群』という病態を引き起こします。QT延長が起こり、その上に次の興奮がくると心臓は休む暇なく働くことになるため、心室細動につながってしまうのです。最新の欧州心臓病学会の論文によると、心不全があると、カリウム値が4・2から4・4の間が理想的で、多くても少なくても死亡率が上がり、2・5以下では3倍以上になるとのことでした」

■“食べられない”独り暮らしの高齢者は要注意

 命に関わる病気を回避するためにも、低カリウム血症を見逃してはいけない。原因は、①体外に排出されるカリウムの量が多い②カリウムの摂取量が少ない③血液中のカリウムが細胞内へ取り込まれてしまうという3つのケースが挙げられる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット