著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

妊娠中のアルコール摂取はたとえ少量でもダメなの?

公開日: 更新日:

 一般的に妊娠中の飲酒は避けるべきと考えられています。妊娠中の習慣的な飲酒は、胎児性アルコール症候群に代表されるような、生まれてくる子供の精神的・身体的発達遅延の他、早産などのリスクが増加するといわれています。

 とはいえ、ごく少量のアルコール摂取でも胎児に影響が出るものなのでしょうか。そんな疑問に対する研究論文が、英国医師会の「オープンアクセスジャーナル」に2017年8月3日付で掲載されました。

 この研究は、16年7月までに報告された、妊娠中の少量アルコール摂取と、生まれてくる子供への影響を検討した26件の研究を統合解析したものです。少量のアルコール摂取とは、週に32グラム以下のアルコール摂取と定義されており、これはビール中ビン(500ミリリットル)であれば約1本半に相当します。

 解析の結果、妊娠中にアルコール摂取をしなかった母親から生まれた子供と比べて、妊娠中に少量のアルコール摂取をした母親から生まれた子供では、胎児の発育遅延リスクが8%、統計学的にも有意に増加しました。また、早産のリスクについても10%の増加傾向が認められましたが、こちらは統計学的に有意な差を認めませんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された