遺伝子変異からがんのタイプを見分け創薬や治療に役立てる

公開日: 更新日:

「EGFR陽性の肺がんでステージⅣだと、従来の抗がん剤では余命1年とされていました。それが第1世代のEGFR阻害薬の『イレッサ』『タルセバ』が開発され、余命が2~3年に延び、それが効かなくなっても第3世代の『タグリッソ』を使うと、さらに余命が1~2年延びます。このように完全に治らなくても新薬が開発されるごとに余命が1~2年延びます。それに分子標的薬は副作用が少なく、飲み薬なのでQOLを保ちながら生活ができるのです」

■もともとは消化器外科医でスタート

 薬が効かなくなるのは、がん細胞が耐性をつくるために、さらに遺伝子を変異させるからだ。しかし、遺伝子変異のタイプを層別化することで、耐性がどのようなメカニズムでつくられるのかも調べられるようになるという。また、ゲノム医学を用いた検査、診断法も大きく進歩してきている。

「がん細胞の遺伝子分析をするには、現状では生検でがん細胞を採取しなくてはいけません。患者さんの侵襲も少なくなく、部位によって必ずしも取れるとは限りません。それで血液検査で遺伝子異常のタイプを調べる研究が進んでいます。血液中には壊れたがんのDNAが含まれていて、100タイプくらいの遺伝子異常が分かります。この検査は、肺がんの一部では保険適用になっています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動