遺伝子変異からがんのタイプを見分け創薬や治療に役立てる
土原医師は、もともとは消化器外科医でスタートしたが、臨床医として当時のがん治療の限界を感じた。手術しても、抗がん剤を使ってもダメ、どうしたら進行がんが治るのか。
それで肝炎のゲノムの研究をしようと、大学院に進学したのが基礎研究の道に進むきっかけだったという。
「この10年で精密医療の恩恵が最も大きいのは肺がんです。その成果を他の臓器のがんにもどんどん応用していきたいと思います」
△石川県出身。1993年金沢大学医学部卒後、同大付属病院研修医。2000年東京医科歯科大学大学院を修了し、オンタリオがん研究所(カナダ)研究員。国立がん研究センター東病院臨床開発センター、早期・探索臨床研究センターのTR分野長を務め、15年から現職。〈所属学会〉日本癌学会、日本臨床腫瘍学会、日本分子生物学会など。