飲み会が増える季節 転倒や打撲を軽く見てはいけない
放置して血腫の圧迫が脳ヘルニアまで進行すると、脳の奥にある生命維持中枢の脳幹が侵され、死亡することもある。
「慢性硬膜下血腫の患者さんは60歳以上が半分を占めますが、40代、50代も少なくありません。2~3月は雪に足をとられて転倒して発症する人が多いのですが、これからの季節はお酒を飲んだ男性の患者さんが目につきます。出血しやすいからです。脳梗塞や虚血性心疾患、不整脈、糖尿病の人などで血液をサラサラにする薬を飲んでいると、さらにリスクが高まります」(福永医師)
血腫は徐々に大きくなるため、頭を打った時は何ともなくても、おかしいなと感じたら脳神経外科医を訪ねることだ。
「“スリッパが脱げやすくなった”“つまずきやすい”“歩くと体がどちらかに偏る”などを自覚したら、病院で相談しましょう。検査はCTでもできますが、MRIだとより確実です。血腫と脳が色分けされ区別できます」(福永医師)
■手術の難易度は高くはないが…
まれに、たまった血が自然吸収されることもあるが、症状が表れた時点で、治療は手術しかないというのが一般的だ。