飲み会が増える季節 転倒や打撲を軽く見てはいけない
「ただし、適応外処方になりますが、学会で報告されている五苓散と呼ばれる漢方薬が使われることがあります。脳の水分のバランスを調整する利尿剤としての働きがあるといわれ、慢性硬膜下血腫の進行を抑えたり、治したとの症例報告があります」(福永医師)
実際に手術となると頭に穴を開けて血を抜くことになる。大変な難手術のイメージを描きがちだが、脳神経外科医にとってはそれほど難易度の高い手術ではないという。
「手術では局所麻酔でドリルにより頭に1つないしは2つの穴を開けて、硬膜と血腫被膜を切開してその中の血をカテーテルで抜く。そうするとマヒしたところなどが手術中に元に戻って、みるみる良くなっていきます」
遅くても1週間程度でマヒや認知症の症状が消えるという医師もいる。
むろん、再発するケースもあるから、油断は禁物だ。
「手術した人の8~20%は再発するともいわれています。その場合は、同じ穴を使って治療すれば治ります。ちなみに手術で開いた穴は肉芽組織となります」(福永医師)
お酒好きな人はとにかく頭をぶつけないように注意することだ。