孤独<5>高血圧・高血糖・不眠の陰に「コルチゾールの上昇」あり

公開日: 更新日:

 孤独感が強まると、血中の「コルチゾール」濃度が上昇することが知られています。血流や代謝を活性化させ、ストレスから身を守る、大切なホルモンです。コルチゾール濃度が上がると、血圧血糖値が上昇し、脳が覚醒します。動物がストレス(敵や恐怖など)から逃れる方法は、大きく「闘う」か「逃げる」かのどちらか一つ。しかしどちらにしても、行動を起こす前に体の瞬発力を高めなければなりません。コルチゾールはその準備を促す役割を担っています。

 野生の世界で生きていくためには必須のホルモンですが、人間の場合、孤独や不安など精神的ストレスでも濃度が上がるのです。そのため今ではむしろ、うつ病などの診断に使われているほどです。強い不安を感じているかどうかが分かりますし、濃度の時間変化を追えば、不安の持続パターンを知ることもできます。

 正常人のコルチゾール濃度は、起きる3時間ほど前から上昇し始め、起床時にピーク(正常値:4・0~23・3マイクログラム/ミリリットル)を迎えます。その後は徐々に減少して、就寝時に最低になるという日周パターンを繰り返します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…