孤独<5>高血圧・高血糖・不眠の陰に「コルチゾールの上昇」あり
ところが長く孤独感にさいなまれている人では、コルチゾール濃度が下がりにくく、高い状態が続いてしまうことが多くの研究で明らかになってきました(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、2006年など)。
そうなると身体的問題が表面化してきます。まず高血圧を発症しやすくなります。コルチゾールが減らないため、血圧が下がりにくくなるのです。また高血糖の状態が続きます。
■年齢によって孤独の影響も異なる
孤独な人は、ただでさえ食生活が乱れがちで、つい食べ過ぎて肥満になりがち。そこにコルチゾールの効果が加わるため、血糖値が下がりにくく、糖尿病を発症しやすくなるといわれています。夜になってもコルチゾールが低下しないため、脳がなかなか寝付けず、睡眠の質の低下や、高齢者などでは不眠症を引き起こします。
年齢による孤独の影響の違いも分かってきました(Psychoneuroendocrinology、2010年など)。若年層では、孤独の影響がコルチゾール濃度にすぐに反映され、孤独が解消されれば、コルチゾールも低下します。