抗がん剤の副作用で涙が止まらず…10~20%は回復しない
2人に1人が、一度はがんにかかる時代です。自分はもちろん、身近な人がいつがんになってもおかしくありません。そうなったときに納得いく治療を受けるためにも、抗がん剤とその副作用について知っておくことは大切です。
抗がん剤の副作用といえば、脱毛や吐き気を想像する人が多いでしょう。確かに、それらは多く見られる代表的な副作用といえます。しかし、それだけではありません。中には、「え? これって副作用なの?」とびっくりしてしまうような症状が表れるケースもあります。
大腸がん、肺がん、膵がん、乳がんなどさまざまながんの治療に使われる「ティーエスワン(TS―1)」という飲み薬の抗がん剤があります。このTS―1には、使用者の2人に1人に起こる「流涙」という副作用があるのです。
涙が出たり、涙目になるだけだろう……などと侮ってはいけません。流涙が起こっているのは、涙の排出路である涙道の障害や、目のレンズに当たる角膜に障害がある可能性があり、ひどい場合には目が見えづらくなって、日常生活に大きな支障が出るケースもあるのです。