出過ぎたり泡立ったり…尿の変化は腎臓を知る手がかりに
ところが、「沈黙の臓器」と呼ばれる腎臓は、その機能が破綻する寸前まで自覚症状が表れにくい。
「腎臓の機能を調べる血中クレアチニン値は、男性が0・65~1・09㎎/デシリットル、女性は0・46~0・82㎎/デシリットルが基準です。そこからはずれた数値で、疲れ、だるさ、むくみなど腎臓病特有の複数の症状があり、おしっこにも変化が表れれば、腎臓の機能低下を疑うべきでしょう。例えば、尿量が減るか出なくなった場合です。おしっこをつくる腎臓の能力が極端に低下しており、急性腎障害を起こしている可能性がある。すぐに病院に行くべきです」
逆に尿量が多いのは、単なる水分の取り過ぎや糖尿病など以外に、慢性腎不全の初期症状かもしれない。体内の保水機能が低下して多尿になる「尿崩症」のなかには尿濃縮を指示するホルモンが出ていても、その作用部位である尿細管に異常が起きて多尿になる「腎性尿崩症」もある。
「おしっこをしたときに泡立ち、その泡が蜂の巣のように大きく、時間が経っても消えない場合は、おしっこに本来は混じるはずのないタンパクが含まれている疑いがあります」