骨粗鬆症の骨折「コルセットつけて安静」が寝たきりを招く
BKPの対象は、①骨粗鬆症性椎体骨折と診断され②十分な保存的治療で痛みが改善されない症例。低侵襲で効果が高く、重篤な副作用がないことから、山本医長らは診断がつき次第、患者や家族に十分に説明をした上で、可及的速やかにBKPを行っている。
「BKPと保存的治療の効果と安全性に関する比較試験では、BKP群は保存的治療群よりも早期の除痛効果が高く、その効果は試験観察期間の2年間維持されました。背部機能やQOL(生活の質)も、BKP群は保存的治療群より改善。また、米国での試験では、BKP群は保存的治療群より死亡率は低く、病的状態も低かったという報告もあります」
山本医長は保存的治療で偽関節が生じた患者にもBKPを実施。変形は元に戻らないが、腰痛は軽減し、自力歩行で帰宅できるようになった。
「ただし、BKPは骨折に対する治療であり、骨粗鬆症の治療ではありません。骨粗鬆症の薬物治療は必須です」
BKPは保険適用。
■骨粗鬆症とは
加齢で増える病気のひとつが、骨密度低下で骨がスカスカになる骨粗鬆症だ。世間で認知されている以上に重大病で、治療せずにいると、やがて寝たきりになる可能性がある。平均寿命が短い。