著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

いくら時代が変わろうと「命が一番大事」なのは変わらない

公開日: 更新日:

「社会的に役立たない人は延命しないで死んでしまえば……という考えが必ずしも間違っていないように思えて仕方ないのです。……命はいったいなんなのでしょうか? 死にゆく人たちを守るために、これから生きていく命をおびやかすことは果たして許されることなのでしょうか?」

 私は、この学生はMさんのような“命の輝き”にまだ出合ったことがないのだろうと思いました。そして同時に、私の頭の中には「生産能力のない老人がどんどん増え、膨大な借金をこの学生らのような次世代に背負わせようとしている現状」が浮かんできたのです。

 しかし、それでも、どうしても「命が一番大切なんだ」という思いは変わりません。

 1994年5月26日、日本学術会議「死と医療特別委員会」では、国民全体の医療経済上の効率性に触れた箇所で「経済効率の観点から人の生死を左右せしめることは、倫理的及び宗教的に許されるものではない」としています。それから24年がたちましたが、時代は変わろうと一番大切なのは命なのです。


■本コラム書籍「がんと向き合い生きていく」(セブン&アイ出版)好評発売中

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  2. 2

    「誤審疑惑黒星」の翔猿 大関に完勝でも晴れない審判へのモヤモヤ《昨日悔しい思いをしたので…》

  3. 3

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  4. 4

    「負けた」はずの琴桜が「勝った」ウラ事情…疑惑の軍配が大炎上《翔猿がかわいそう》

  5. 5

    日本ハム新庄監督は続投する?しない? 目下2位と大健闘でも決まらない複雑事情

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    SMAPファン歓喜!デビュー記念のラジオ番組で思い出す「SMAP×SMAP」“伝説の5人旅”と再結成の実現度

  3. 8

    自民党は気に入らないんだよ。でも小泉進次郎はクソ手強いと思うわけ。

  4. 9

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  5. 10

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況