貴景勝は「1日10個食べたい」今や卵は何個でもOKなのか
「1日平均10個は食べたい」
九州場所で初優勝した小結の貴景勝は、巡業先の福岡県直方市で報道陣にそう語ったという。ゆで卵が大好物で、白星に見立てたゆで卵が15個、報道陣から差し入れられたときの言葉だ。「安価にタンパク質を摂取できる。筋力を落とさないために食べると落ち着く」と笑顔で頬張ったそうだ。
確かに卵は高タンパク質だ。文科省の食品成分データベースによると、100グラム当たりのタンパク質含有量は、卵黄が16.7グラムで、ロースハムとほぼ同量。牛もも肉(21.2グラム)や豚ロース(19.3グラム)には劣るが、悪くない含有量だろう。
しかし、40代の記者は小さいころ「卵は1日1個までよ」と言われて育ったもの。かつては、高タンパク食材の一方、コレステロール値を上げる悪影響が指摘されたものだが……。横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)が言う。
「卵黄に含まれるリン脂質の一種レシチンは、コレステロールでも善玉コレステロールを増やすことが分かりました。善玉は血管に付着した悪玉コレステロールを回収する働きがあり、むしろ動脈硬化を予防します。そのため、卵とコレステロールの関係が見直されるようになり、一部には『個数を気にしなくていい』という専門家も出てきたのです」