石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

卵を食べてもコレステロール値は上がらない?

公開日: 更新日:

 これまで血液検査をしてコレステロールが高い患者さんには「1日1個、卵を食べてはいけません」という指導が行われていました。

 1個の卵には200ミリグラムを超えるコレステロールが含まれています。1日のコレステロールは300ミリグラムより少なくすることが推奨されているので1日に1個以上の卵を食べてしまうと、現実的にその基準を満たすことは難しいのです。

 ところが、最近になって「コレステロールが高い人も卵を減らす必要はない」という内容の報道が巷を賑わすようになりました。

 2016年のアメリカのガイドラインで、「コレステロールの摂取量の目標値が当てにならない」として否定されたからです。もちろん、これは「コレステロールをいくら取ってもいい」という意味ではありませんが、たとえば卵を減らしたからといって、コレステロールは減らないことが分かったのです。

 17年の疫学の専門誌に、今度は日本の大規模疫学データの解析結果が発表されたのですが、そこでもやはり、コレステロールの数値と卵の量との間には、明確な関係はありませんでした。

 そうはいっても、「卵の食べ過ぎは大腸などのがんを増やす」という報告もありますから、食べ過ぎもまた良くありません。

 ただ、1日1個くらいの卵を食べることは、特に健康に害はないと考えてもいいようです。

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