金子エミさん「手のモデル」としての“余命”は覚悟できた
そこで、ふと思い出したのが、指の第1関節が曲がっている、近所で馴染みのおばちゃんのことでした。失礼ながら指について伺ったら、「曲がるまでは痛かったけど、曲がっちゃったら痛くないのよ」とあっけらかんと言われ、そのとき初めて「ヘバーデン結節」という病名を聞きました。
その後、近所の整形外科でレントゲン検査しましたが「異常なし」。でも痛みはあるし、曲がっちゃうのは嫌だと思い、知り合いの女医先生に相談したんです。
すると、四谷の病院にいる手の外科の先生を教えてくれました。
その先生はとても有名らしく、10月上旬に病院に電話したら「11月1日にもう一度電話してください」と言われ、それがなんと翌年2月の予約になるというのです。がっかりして先の女医先生に報告すると、「その先生は水曜日の数時間だけ八王子の病院で外来を受けている」という情報をくれました。
翌日が水曜だったので、すぐにクルマを飛ばして八王子の病院を訪ねたら、あっさり受診できました。
問診で指の症状を伝え、「26年間、手のモデルをやってきて、凄く手を大事にしてきた」という話をしました。でも、話し終わらないうちに、「ああ、これです」と言って、目の前に「ヘバーデン結節」という大きな文字とイラストが描かれた紙を差し出されました。そして、「あと5年で曲がる」という宣告をされたのです。