<7>誕生日を祝う「菊交じりの花束を贈って大泣きされた」
小宮さんが大好きな落語の稽古を始めても、一番身近の彼女が最も厳しい批評家を務めてくれたそうだ。
「この失敗があってからは誕生日が近づくと、何をプレゼントするか悩みに悩みました。そんな時に役者仲間の築出静夫くんの奥さまに相談したら、洋物雑貨『アフタヌーンティー』のティーカップセットを薦めてくれたのです。それまでの僕は高価なものやブランド品を贈れば女性は喜ぶものと勘違いしていましたが、ティーカップを贈ると妻はとても喜んでくれた。妻は昼下がりの午後に紅茶を飲むのが好きでした。まったりとした時間を過ごすのが彼女の幸せそのものであり、僕がそんな彼女のためにティーカップを買っていったことを喜んだのでしょう」
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普段使う生活用品を買っていったのは、まさしく“見てくれている”ことの表れ。これこそが彼女の望んだ心配りだったのだろう。(※編集部注)
=つづく