スマートコンタクトレンズで眼球の形状や眼圧を計測できる
すでにFDA(米食品医薬品局)と日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)の承認済みで、日本でも今後広まる可能性がある。
レンズ内に圧力センサーと無線通信機能が内蔵され、データは患者の首に装着する小型受信機に送られる。電源は受信電波によって外部から供給される仕組み。これによって眼圧の日内変動をとらえ、患者に合った眼圧管理ができれば、緑内障による失明が回避できると期待されている。
また、08年から米国ワシントン大学とグーグルが共同で開発を進めてきた涙液で血糖値を測定するスマートコンタクトレンズが注目されていた。しかし、昨年11月に開発の中止が発表された。
「涙液中のグルコース値から血糖値を推定する技術ですが、血液に比べて30~40倍ほど薄く、いいデータが出なかったようです。涙液中のグルコース値は、実際の血糖値より数時間遅れてピークがくるので、リアルタイムで測定値が分からないと糖尿病の治療に結びつけられないのです」
ただ、コモディティー(日用品)として開発されたスマートコンタクトレンズの機能を医療に使うことも可能だ。たとえばソニーなどが進めている、まばたきでシャッターが切れるカメラ機能の場合、オートフォーカスなので近視や老視の矯正に応用できるという。