休日の運動ではカバーできず…“座り過ぎ”のリスクと解決策

公開日: 更新日:

EDのリスクも上がる可能性

 恐ろしいのは座り過ぎリスクが、日常生活で年々高まっていることだ。

「拍車をかけているのがリモコン、携帯電話などです。かつては照明をつけるのも、お風呂を沸かすにも、電話をかけるのもそのスイッチのある場所まで行かなければなりませんでした。ところが、年々便利になっていて、体を移動させることなく、ボタンひとつで何でもできるようになり、多くの人の血液がドロドロになりやすくなっているのです」(林院長)

 実はこうした座り過ぎ生活は死亡率を高めるだけでなくED(勃起不全症候群)リスクも上げる可能性があるという。

「座る時間が長くなると糖尿病性EDになりやすいという報告があります。2型糖尿病の人を対象に自己申告による座り時間とEDとの関連を調べた研究です」(林院長)

 愛媛大学医学部の古川慎哉准教授らの研究チームは2型糖尿病の男性患者430人(平均年齢60.5歳)に、過去12カ月間の典型的な24時間に座って過ごした時間について尋ねた。その回答に基づいて、座っている時間を「5時間未満」「5~7時間」「7~9時間未満」「9時間以上」の4分類して調べた。その結果、「9時間以上」の群と「5時間未満」の群を比べると重症ED有病リスクが平均85%も高くなったという。

 心臓病脳卒中のリスクが高まり、性生活もダメになってはたまらない。どうしたらいいのか?

「それなら、平日の座り過ぎを休日の運動でカバーすればいいのではないか? そう考える人もいるでしょう。しかし、残念ながらそれではカバーできません。座り過ぎのマイナスは睡眠不足を寝溜めで解消しようとするのと同じで、まったく意味をなさないのです」(林院長)

 解決策はとにかく立って歩くことだ。

「自分が座り過ぎていると感じている人は、会社でも自宅でも1時間に1度は必ず立ち上がり、2~5分は歩き回ることです。太ももやふくらはぎの筋肉を動かすスクワットも効果的です。さらに通勤時間帯などを利用して1日30分以上は体を動かすといいでしょう」(林院長)

 健康を保つには運動は必須ではない。便利な道具に頼らず、日頃からちょこまか体を動かして生活する。それが大切だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された