引退まで試合では吐き続け…小谷野栄一さん語るパニック障害

公開日: 更新日:

 でも、寮の廊下から目の前にあるグラウンドで他の選手がプレーしている姿を見ていると、むなしくて、情けなくて……。うつ状態に陥っていたのかもしれないですね。球団に「実家へ帰って、少しゆっくりしてきたら?」と提案いただき、実家に帰ったらぐっすり眠れました。他人の目がなくなって落ち着けたのかもしれません。実は小学生の頃から、学校の授業で当てられそうになるとお腹が痛くなるような性格で、注目されるのが得意ではなかったんです。

 両親が何も知らないかのように、いつも通り接してくれたことに救われました。僕は会社員の父、母、姉、妹の5人家族なのですが、両親は奨学金を借りてまで僕を大学に入れて野球をやらせてくれました。

 高校からはずっと寮生活で、姉がランニングシューズを買ってくれたり妹がお小遣いを送ってくれたり、家族みんなで僕を支えてくれました。

 念願のプロになって、契約金で奨学金を一括で返済できたので、「早く結果を出してこれからは家族に恩返しをしたい」「活躍する姿を見せたい」と強く思っていました。そんな気持ちを両親に打ち明けたら、「何も望んでいないのに」と言うんです。ひとりで気負っていたんだと気付かされました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ