がんそっくり? 認知症発症メカニズムの輪郭が見えてきた

公開日: 更新日:

 異常な細胞が、正常な細胞を仲間にしてどんどん広がっていく。しかも、本来は監視役である免疫細胞をも味方につけてしまう。これは増殖と転移を繰り返すがん細胞にそっくりではないか?

「実際、アルツハイマー病を『タンパクがん』と呼ぶ研究者もいます」

 ちなみに、Aβは“ゴミ”と呼ばれているが、本当か。

「Aβは、Aβ前駆体と呼ばれる大きなタンパクから切り出されます。前駆体は脳神経物質の輸送に関わっていますが、Aβはなぜ切り出されるのか、機能は何か、わかっていません。細胞の外に排出されるから必要のないゴミだろうと推測されているにすぎません」

 しかし、生命の設計図であるDNAも実際に機能しているのはわずか2%で、98%はゴミといわれてきた。

 ところが最近は、多くの働きがあることがわかっている。Aβも完全に取り除くと、脳に問題が起きないとも限らない。

■個人レベルでリスクの判別が可能に


 人の名前を忘れたり、固有名詞が出なくなることは、多くの中高年が経験すること。「それはアルツハイマー病とは無関係」という医療関係者もいるが、亡くなった人の脳内のAβやタウの蓄積量と、認知機能を比べた研究では、アルツハイマー病を発症していない健康な人でも両者に相関関係があったという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ