著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

交通事故死リスクが上昇 自動車運転中の喫煙に注意すべし

公開日: 更新日:

 自動車運転中の喫煙は交通事故のリスクであると考えられています。その理由として、たばこを取り出す、火をつける、灰皿に灰を落とす、火を消す――といった一連の喫煙関連行動が、運転に対する集中力を散漫にさせるからです。

 喫煙習慣と交通事故死の関連性を検討した研究論文が日本疫学会誌2019年5月号に掲載されました。

 この研究では、茨城県に在住する男性3万3138人、及び女性6万3940人が対象となっています。被験者は、全く喫煙したことのない非喫煙者、かつて喫煙をしていた元喫煙者、喫煙本数が1日20本未満の喫煙者、喫煙本数が1日20本以上の喫煙者の4つのグループに分けられ、交通事故死のリスクが比較されました。なお、結果に影響を与えうる年齢や飲酒状況について、統計的に補正を行い解析をしています。

 20年にわたる追跡調査の結果、男性の交通事故死のリスクは、非喫煙者と比較して、1日20本未満の喫煙者で32%、1日20本以上の喫煙者で54%、高い傾向にありました。統計学的に有意な差を認めていませんが、喫煙本数が多いとリスクの大きさも増加することが示されています。他方、女性では喫煙者の数が少ないために関連性を見いだせなかったと報告されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…