「人生会議」の決定を逆転させるくらい医療は進歩している
厚生労働省のホームページにこうあります。
「『人生会議』とは、もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです。厚生労働省では、今まで『ACP:アドバンス・ケア・プランニング』として普及・啓発を進めてまいりましたが、より馴染みやすい言葉となるよう『人生会議』という愛称で呼ぶことに決定しました」
G医師は長い間、Bさん(83歳・女性)一家からかかりつけ医として信頼されてきました。先日、Bさんの息子から相談を受けたG医師が悩んでいるという話を聞きました。
Bさんの夫は、若い頃からヘビースモーカーで、10年前に肺がんで亡くなりました。その後、Bさんは息子と一緒にG医師を訪れ、夫の最期をみとってくれたお礼を述べてから「私が肺がんになったら、夫のように病院で抗がん剤治療はしたくないです。これはG先生も覚えておいてください。お願いします」と話したそうです。
いろいろ話し合って、息子もG医師もそれを了解しました。そしてG医師の勧めに応じ、Bさんは直筆で「延命治療はしない・がんになっても抗がん剤は使わない」という書面を残しました。