「人生会議」の決定を逆転させるくらい医療は進歩している
Bさんの姉(86歳)も夫を亡くし、その後は姉妹2人でBさんの家で10年間仲良く暮らしてきました。姉の息子たちは結婚して離れて暮らしているとのことでした。
がんの話題になると、いつもBさんは「私はG先生と息子とで話し合った。薬の治療はしないと紙に書いておいた」と姉に話し、姉は「分かった、分かった」と返事をしていました。
■「抗がん剤は使わない」と本人は書面に残していたが…
今年に入って、Bさんに進行した肺がんが見つかり、手術は無理と判断されました。この時、すでに脳に転移が数カ所あり、新しく出来た地域の中核病院で全脳に放射線治療を受けました。その効果があって、脳転移はほとんど消えるほどに小さくなったのですが、放射線治療が終わった頃からボケた感じになってきました。認知症が悪化したのか? 放射線治療が影響したのか? 体はとても元気なのですが、話の理解が難しくなり、物事を自分で判断が出来なくなってきました。
その後、中核病院の担当医から息子に「肺がんの遺伝子検査の結果が出て、ちょうどBさんに合った効く薬が分かりました」と連絡がありました。