死亡者は85年の2倍に がん検診の"適齢期"は75歳まで
そこで、がん検診の適齢期を考えると、まず子宮頚がんは20歳から、そのほかのがんは40歳から受けるのがセオリーでしょう。
具体的に見ると、乳がんで家族歴がある人は、30歳から超音波検査を受けるといい。一般にX線によるマンモグラフィーが推奨されますが、日本人女性はマンモで判別が難しいデンスブレストが多く、そのタイプは超音波の方が見つけやすいのです。大腸がんも家族歴のある人は30歳から便潜血検査を受けるといいでしょう。
先ほど示したピークの年齢から65~70歳を越えると、がんで亡くなる割合は減っていきます。100歳以上になると、1割未満。心臓病や脳卒中、肺炎などが増えるのです。
がんで亡くなるのは、中年から70歳前後まで。イメージとしては、働き盛りの命を奪う病気で、家族へのダメージも大きいでしょう。振り返ると、私の義理の妹も48歳で大腸がんで亡くなりました。50歳の死亡と100歳の死亡とでは、家族に与える心理的な影響は全く違うでしょう。
そんな悲劇を免れるための検診ががん検診。一般論としての上限は、75歳といえるのです。