著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

死亡者は85年の2倍に がん検診の"適齢期"は75歳まで

公開日: 更新日:

 そこで、がん検診の適齢期を考えると、まず子宮頚がんは20歳から、そのほかのがんは40歳から受けるのがセオリーでしょう。

 具体的に見ると、乳がんで家族歴がある人は、30歳から超音波検査を受けるといい。一般にX線によるマンモグラフィーが推奨されますが、日本人女性はマンモで判別が難しいデンスブレストが多く、そのタイプは超音波の方が見つけやすいのです。大腸がんも家族歴のある人は30歳から便潜血検査を受けるといいでしょう。

 先ほど示したピークの年齢から65~70歳を越えると、がんで亡くなる割合は減っていきます。100歳以上になると、1割未満。心臓病脳卒中肺炎などが増えるのです。

 がんで亡くなるのは、中年から70歳前後まで。イメージとしては、働き盛りの命を奪う病気で、家族へのダメージも大きいでしょう。振り返ると、私の義理の妹も48歳で大腸がんで亡くなりました。50歳の死亡と100歳の死亡とでは、家族に与える心理的な影響は全く違うでしょう。

 そんな悲劇を免れるための検診ががん検診。一般論としての上限は、75歳といえるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…