表面に浅い潰瘍やびらん…なぜお酒を飲むと胃が荒れるのか
お酒を飲んで吐く人がいますが、これはアルコールが胃の内容物の食道への逆流を防ぐための下部食道括約筋を緩めたり、食道の蠕動運動を低下させて胃酸の逆流を引き起こすからです。ちなみに胃酸に曝露された食道は、ただれて食道炎となります。お酒による胸やけというものです。
昔のドラマで、登場人物がお酒を飲んで血を吐くというシーンを見たことがある人もいるでしょう。それは嘔吐を繰り返すことで食道に圧が加わり、食道下部から胃の入り口(噴門部)の血管が破れ出血し、それが逆流して口から吐き出されるのです。
お酒をたくさん飲むと決まって下痢になるのは、アルコールを大量に摂取すると、水分や電解質(ナトリウム・クロール)の腸から体への吸収が悪くなり、水分と電解質の排出量が増え、糖や脂肪の分解・吸収も低下するからです。
胃とは関係ありませんが、大酒飲みの人は大腸ポリープができやすいので気をつけましょう。食生活の偏りなどが原因だといわれています。なお、アルコール依存症の人は食事の偏りに加え、ビタミン吸収障害が見られるため、ビタミン欠乏による脳症・貧血・末梢神経障害が起こります。