口腔内の炎症が一因…歯周病と認知症は大きく関係している
【Q】歯周病とアルツハイマー病は関連があると説明されましたが、本当なのでしょうか
【A】本当です。認知症とは、いったん発達した知的機能が低下して社会生活や職業生活に支障をきたす状態を指しています。脳血管障害など、原因疾患によりさまざまな型に分類されていて、アルツハイマー型認知症もそのひとつです。
最近では歯周病がアルツハイマー型認知症の発症および進行に関連しうることが示唆されていて、歯周病にかかっているマウスを使った研究データも出ています。
歯周病になると、歯周病細菌の出す内毒素により炎症が起きて、血液中に炎症性物質である「サイトカイン」が生じます。サイトカインとは生理活性タンパク質といわれるもので、血液中に流れ込んで脳に運ばれると「アミロイドβ(Aβ)」というタンパク質が脳の中で増えていきます。そのアミロイドβは記憶をつかさどる海馬に集中して増え続け、徐々に脳細胞を死滅させていくのです。これが歯周病によってアルツハイマー型認知症が引き起こされるメカニズムといわれています。