著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

抗HIV薬は多剤併用療法が主流で治療効果が飛躍的にアップ

公開日: 更新日:

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によるHIV感染症(AIDS=エイズ)は、かつては致命的な病気でした。しかし、いまではHIVに感染していない人とほぼ同等に生きられる病気になっています。その要因として、よく効く治療薬=抗HIV薬が開発されたことが挙げられます。

 エイズの治療は、1997年から多剤併用療法が主流になり、最近では「バックボーン」と呼ばれる核酸系逆転写酵素阻害剤を2剤、そこに「キードラッグ」と呼ばれるプロテアーゼ阻害剤またはインテグラーゼ阻害剤を1剤組み合わせます。

 いずれも飲み薬(内服薬)で、ウイルスを殺すのではなく、増殖を抑えることで発症を抑制します。治療効果そのものが飛躍的に上がったことに加え、副作用が少ないもの、服用回数が少ないものといった製剤的に工夫された薬が発売され、患者の負担も減りました。

 課題としては、1錠の大きさが大きく飲みづらい、高額である(健康保険を使って月7万~8万円)、ずっと服用を続けなくてはならないなどが挙げられます。ただ、薬の開発と進歩によって、致命的な病気が死なない病気になったというのは素晴らしいことだといえるでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース