心筋障害の報告も 心電図や血液検査以外に超音波検査が必要
また、新型コロナウイルスの重症患者群では不整脈がしばしば合併する。不整脈には、頻脈、徐脈、心休止などがあるが、QT延長(心電図波形の中でQ波とT波の間の時間が延びてしまい、心室頻拍や心室細動といった致死的不整脈を起こしやすい)等が認められることもある。欧米からの報告では、クロロキンもしくはヒドロキシクロロキンとアジスロマイシン併用に関連したQT延長とTdP(QRS波の幅と長さが1拍ご.と捻じれ振動する心室頻拍) による致死的不整脈が問題になっている。
新型コロナウイルス感染症に対してヒドロキシクロロキンとアジスロマイシン併用による治療が有効との報告があるが、患者さんには十分な注意が必要と考えられる。
心臓機能障害単独でも予後は悪いが、不整脈や呼吸不全が併発すると、予後は極めて悪くなる。注意が必要である。