涙液層の安定がなければ視力はあっても見え方は悪くなる
【Q】眼鏡視力は悪くないと言われていますが、瞬きをした後すぐに見えづらくなる気がします。
【A】 私たちが快適にものを見ようとするとき、眼表面の涙液層も大切なレンズの役割を果たしています。涙液層が安定しない状況、つまりドライアイでは見えづらさを感じやすくなります。
健康診断などの視力検査では、ランドルト環と呼ばれる 「C」マークの切れ目を判別できるか調べています。高いコントラストで明るい照明の下、どのくらい細かいところまで見えるかの限界値を調べる検査ですので、一瞬でも見えていたら「見えた」と判断します。
しかし、日常さまざまな条件下でものを見ている時、常に視力の最大限の力が発揮できている訳ではありません。特に、眼表面の涙液層が安定しない状況では視力検査の結果と日常生活での見え方とは大いに異なっていることでしょう。
眼表面の涙液層は、一旦、眼を閉じてから開いて5秒もすると、適正に濡れている部分と涙液層がカバーしきれず乾きかけた部分に分かれてしまいます。この眼表面の涙液が不足し不安定になっているのがドライアイです。ドライアイでは、「目が疲れる」、「メヤニが出やすい」、「ゴロゴロする」、「目が重い」、「乾く」、「痛い」、「涙が出る」、「かすむ」、「かゆい」、「まぶしい」、「充血する」、「10秒以上開けていられない」、など様々な訴えをします。いくつか当てはまるならドライアイの可能性があります。日本では800万人以上の方がドライアイだと言われています。