著者のコラム一覧
清澤源弘自由が丘清澤眼科院長

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

涙液層の安定がなければ視力はあっても見え方は悪くなる

公開日: 更新日:

 ドライアイの検査は角膜表面の状態を見るフルオレセイン染色試験と涙液分泌量を見るシルマーテストです。まず、フルオレセイン染色試験はフルオレセインという色素を使って角膜表面を染めます。左右各眼の下眼瞼上に溜まった涙の高さを細隙灯顕微鏡で調べます。その高さの正常値は0・2~0・3mm。その後、閉瞼してから開瞼し、涙の層が破れて乾いたところが現れるまでの涙液破壊時間を調べます。正常値は5秒以上。角膜の状態が悪くなれば、点状表層角膜炎が見られるようになります。次に、シルマーテストでは、濾紙を下瞼に挟んで5分間待ち、紙の端から何ミリが濡れたかを調べます。正常値は5分間で10mm以上。いずれもドライアイには有用なテストです。

 ドライアイの方は眼の表面を覆う涙が不安定になり綺麗なレンズ面でなくなることで眼に入る光が散乱してしまいす。そのためものが鮮明に見えなくなってしまうのです。ドライアイは高齢化やエアコンの使用、パソコンやスマートホンなどの使用、コンタクトレンズ装用などに伴って増え続けています。室内の加湿やホットアイマスクなどで眼の血行を促すなど、セルフケアを心掛けることが大切です。また、点眼薬でも眼の乾燥を防ぐことができます。日本には海外にない複数の優れた点眼薬があります。次にお勧めできるのは涙点プラグ。目頭にある涙の鼻腔への流出口「涙点」を塞ぎ、眼表面の渇きを軽減します。液体のコラーゲンプラグと固体でより効果の強いシリコンプラグがあります。いずれも眼科医にご相談ください。これらの対策を打つことでドライアイを軽減し、快適に見える生活を取り戻してください。

【連載】みんなの眼科教室 教えて清澤先生

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 2

    小芝風花は大河「べらぼう」とBS時代劇「金と銀2」“NHK掛け持ちW主演”で大丈夫なの?

  3. 3

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?

  4. 4

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  5. 5

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    吉沢亮のアサヒビールだけじゃない!業界別CM「絶対NG」のタレントたち…ケンカ、運転事故、不倫はご法度

  3. 8

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 9

    【福井県おおい町】名田庄の自然薯そばと「大飯温泉」

  5. 10

    確率2%の抽選で10万円で永住権を手にした在米邦人が語る 7億円「トランプ・ゴールドカード」の価値