著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

早漏を改善する2つの訓練法 女性の望む持続時間は9.7分

公開日: 更新日:

 セックスの不満のひとつに、男性の「早漏」が挙げられます。射精の時間を自分でコントロールできずに、希望時間よりも早く射精してしまう状態です。では、医師が治療の対象とする早漏とは、どれくらい早く射精してしまうのでしょうか。

 いまのところ最新のコンセンサスになっているのは、国際性医学会議(ISSM)の主導で検討され、2008年に発表された次の定義です。▼性交時に射精がいつも挿入前、または挿入1分以内に起きる。▼腟内挿入中に射精を遅らせることがまったく、あるいはほとんどできない。▼性交時に射精が早いことが苦痛、悩み、不満に感じる。あるいは性行為を避ける。

 しかし、早漏を考える上で大切なのは、明確な時間の基準ではなく、本人たちがどう感じているかです。たとえ1分以内でも男女双方に不満がなければ、治療が必要な早漏とはいえません。また、男性に不満はなくても、女性が不満に感じている場合もあります。ですから早漏は女性の性機能障害の原因にもなります。

 ちなみにTENGAヘルスケアの調べ(17年)によると、女性449人に聞いた理想の挿入時間の平均は9.7分だったそうです。日本の女性は不満を口にすることはあまりないと思いますが、欧米などでは男性が早漏であることが正式な離婚原因として認められます。海外では、それくらい大変なことなのです。

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