著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

日本食の摂取状況は認知症リスクのバロメーターになるのか

公開日: 更新日:

 認知症の予防に良いと言われる食材は少なくありませんが、その効果を裏付ける質の高い研究データは限られています。大豆、魚、海藻、緑茶など、日本食に特有の食材が認知症リスクの低下をもたらす可能性を報告した研究もありますが、これらの研究では食事内容に関する調査が1回しか行われておらず、その後の食習慣の変化が認知症リスクにどのような影響を与えるのかについてはよく分かっていませんでした。

 そんな中、日本食の摂取状況の変化と認知症リスクの関連性を検討した研究論文が欧州臨床栄養代謝学会誌に2020年12月5日付で掲載されました。この研究では、65歳以上の日本人高齢者3146人が解析の対象となりました。日本食の摂取状況は、米、味噌汁、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚、緑茶、牛肉・豚肉の摂取量に基づき0~8点で評価され、この点数の増減と認知症の発症リスクが検討されています。なお、結果に影響を与えうる年齢、喫煙・飲酒状況など因子で統計的に補正して解析されました。

 平均で5・7年にわたる追跡調査の結果、日本食の摂取状況に変化がなかった人と比べて、大きく減少した人では72%、統計的にも有意に認知症リスクが増加しました。他方で、摂取状況が大きく増加した人では38%、認知症のリスクが低い傾向にありました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由