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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

初孫ができて思い出す乳がんで亡くなった女性患者の言葉

公開日: 更新日:

 梅原さんの「この世の生命は受け継がれていくことに救いがある」という言葉が、今になって身にしみるのです。

 34年前、私が担当していて胃がんで亡くなったSさんの奥さまから、先日メールが届きました。その当時、奥さまは大変苦労されたと思うのですが、幸せそうに「今、孫たちは大学生4人、高校生3人、そして一番チビさんもこの4月から中学生です」と報告してくださいました。一緒に送っていただいたご家族の集合写真を目にして、「こんな幸せな方もおられるのだ」と思いました。

 新型コロナウイルスの流行で突然に不幸になった方がたくさんおられることを思うと、初めて爺になった私が孫に会えずにいて、写真や動画でガマンしているのは当然の話です。それでも、孫に触れてみたい、風呂に入れてみたい。そう思うのです。

 癌研究会付属病院(現がん研有明病院)の院長だった西満正氏は、小児科病棟を回診して「幼子の匂いに勝るものなし」と詠みました。血がつながっているとか、DNAがつながるとは、天からいただいた“心の魔術”なのでしょうか。閉塞感の中でも、目に見えない元気をくれるのです。

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