著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

男性患者の診察、診断は具体的にどのように行われるのか

公開日: 更新日:

「次に超音波検査を行ないます。またベッドに寝てください」

 超音波のプローブを陰嚢の精巣に当て、精巣を観察します。次に精索の部分を観察して、精索静脈瘤を超音波で確認します。精索静脈瘤の超音波検査の特徴は血管が拡大して見られることです。画面には黒いやや大きな楕円がいくつも確認されます。この楕円の径を測定して3・0mm以上のものが複数あれば、明らかな精索静脈瘤と言えます。

「では、お腹に力を入れたり、抜いたりしてください」

 続けて行なう血流を見るドップラー検査では、青と赤の乱流が見られ、血液の逆流があることも分かりました。

 精索静脈瘤は、静脈血が腎臓の静脈から精索静脈へ逆流するために、静脈叢が怒張、うっ血をきたした状態になります。解剖学的に左側に多いのが特徴です。

 精索静脈瘤が不妊の原因になるのは、静脈血のうっ滞によって陰嚢内の温度が上昇し、精巣機能が低下するためだと言われています。

「触診と超音波検査の結果、Aさんには左精索静脈瘤があります。これが精液所見に影響している可能性が高いと思います」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」