(4)急性大動脈解離の手術は心臓外科医でも受けたくない

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 突然、大動脈が破裂する急性大動脈解離という病気があります。数々の有名人が、この病気になったことが報道されているので、ご存じの方も多いことでしょう。

 しかし、人は病気の話を聞いても他人事で済ませてしまいます。何度聞いても、アタマに残っていない人も多いと思います。同窓会で「俺たちのクラスでもう3人死んでるよ」とか話題になっても、「そうだっけかなぁ。考えてみたことなかったなぁ」。

 我が国の伝統的な文化なのでしょうか。「人は知りたくないことを知らないでいる権利がある」と考えている人は多いようです。

 急性大動脈解離は、何の前触れもありません。原因はまったく不明です。何とも理不尽です。突然、大動脈が破裂するのです。大動脈が破裂しても、外側にある薄い皮がぎりぎり大出血をさせないでとどめてくれることがあります。この状態は大動脈の壁が二重に割れている状態とも言えます。そこでこの状態を「解離」と呼んでいるのです。「破裂って呼べばいいじゃないか!」と思いますが、企業の税金ごまかしは「粉飾決算」ではなく「不適切経理」、「汚染水」では絶対になく「処理水」、警察の不祥事隠蔽は「コミュニケーション不足」と呼ぶのと同じみたいです。

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