新型コロナウイルスの「経口ワクチン」は作製が可能なのか
国民の大半がワクチン接種したイスラエルは、「デルタ株」によって感染者が再び増加している。今月1日から60歳以上を対象にした3回目のワクチン接種を始めたが、近く経口ワクチンの臨床試験も開始される見通しだ。
【Q】新型コロナウイルスの「経口ワクチン」は作製が可能なのか?
【A】「アストラゼネカ社と同じウイルスベクターワクチンや弱毒化生ワクチン、つまり一部遺伝子を除いたウイルスを使用し、投与するワクチンなら作製可能です。現在、経口ワクチンは4種類ほど存在し、ポリオ、ロタウイルス、腸チフスなど腸管由来の感染症には、胃を通って吸収されるので有効性が認められています。ただし、コロナは呼吸器感染症のため、経口ワクチンの開発はハードルが高い。胃の消化酵素がスパイクタンパク質を分解してしまう恐れがあるのです。さらにポリオなどと同じく、弱毒化したワクチンとはいえ、生きているウイルスが入ってしまう分、体内でウイルスが先祖返りして変異型に変わってしまう危険性もあります」